日本のベンチャーキャピタルの現状や課題について検討するためにベンチャーキャピタル・ファンドのパフォーマンスやVCの投資について図を用いて確認してみる。
(ベンチャーキャピタル等投資動向調査報告/ファンド・ベンチマーク調査報告(~平成19年度)より筆者作成)
(米国はNVCA2007Yearbook、欧州は2007EVCA Yearbook、日本は各年報告書による)
(米国はNVCA2007Yearbook、欧州は2007EVCA Yearbook、日本は各年報告書による)
一番上の図のIRR(内部収益率…投資判断指標として使われている)が示すように、日本のベンチャーキャピタル・ファンドのパフォーマンスは低い。さらに、年間の投資額も低いということがわかる。日本のベンチャーキャピタル特有の投資行動を考慮すると、ベンチャーキャピタル側とベンチャー企業側、そして、経済環境や制度面の要因として以下の点が挙げられる。
ベンチャーキャピタル側の要因
1. 多くのベンチャーキャピタルは親会社からのローテーション人事であり、企業評価や経営支援のできる本格的ベンチャーキャピタリストを養成してこなかった。
2. ベンチャーキャピタルが投資規模拡大を優先し、投資審査を十分行ってこなかった。
3. ベンチャーキャピタルが株価吊り上げ競争を行って、期待リターンを下げてしまった。
4. ベンチャーキャピタルが投資先企業に対して、十分な経営支援を行ってこなかった。
ベンチャー企業側の要因
1. ハイリスク、ハイリターンの投資案件(アーリーステージのハイテク企業)が少なく、ローリスク、ローリターンのレーターステージ企業が中心
2. ベンチャー起業の経営者やビジネスプランが未熟
3. ベンチャー企業を運営できる人材不足
経済環境や制度面の要因
1. 1980年代後半のバブルの時期にベンチャー企業が上場したため、この時期にベンチャーキャピタルが投資し、1990年代後半の店頭市場の低迷時期に店頭公開したベンチャー起業の投資パフォーマンスが悪化した。
2. 1990年代後半に行われた銀行による貸し渋りが契機となって、倒産したり事業が停滞するベンチャー企業が生まれた。
3. 株式公開基準が厳しかったため、株式公開まで長期間を要し、年率リターンが低下した。
なお、さらに詳しく調べたい人は以下のサイトを参照すると良いだろう。
日本 VEC(ベンチャーエンタープライズセンター)
アメリカ NVCA
ヨーロッパ EVCA
(ベンチャーキャピタル等投資動向調査報告/ファンド・ベンチマーク調査報告(~平成19年度)より筆者作成)
(米国はNVCA2007Yearbook、欧州は2007EVCA Yearbook、日本は各年報告書による)
(米国はNVCA2007Yearbook、欧州は2007EVCA Yearbook、日本は各年報告書による)
一番上の図のIRR(内部収益率…投資判断指標として使われている)が示すように、日本のベンチャーキャピタル・ファンドのパフォーマンスは低い。さらに、年間の投資額も低いということがわかる。日本のベンチャーキャピタル特有の投資行動を考慮すると、ベンチャーキャピタル側とベンチャー企業側、そして、経済環境や制度面の要因として以下の点が挙げられる。
ベンチャーキャピタル側の要因
1. 多くのベンチャーキャピタルは親会社からのローテーション人事であり、企業評価や経営支援のできる本格的ベンチャーキャピタリストを養成してこなかった。
2. ベンチャーキャピタルが投資規模拡大を優先し、投資審査を十分行ってこなかった。
3. ベンチャーキャピタルが株価吊り上げ競争を行って、期待リターンを下げてしまった。
4. ベンチャーキャピタルが投資先企業に対して、十分な経営支援を行ってこなかった。
ベンチャー企業側の要因
1. ハイリスク、ハイリターンの投資案件(アーリーステージのハイテク企業)が少なく、ローリスク、ローリターンのレーターステージ企業が中心
2. ベンチャー起業の経営者やビジネスプランが未熟
3. ベンチャー企業を運営できる人材不足
経済環境や制度面の要因
1. 1980年代後半のバブルの時期にベンチャー企業が上場したため、この時期にベンチャーキャピタルが投資し、1990年代後半の店頭市場の低迷時期に店頭公開したベンチャー起業の投資パフォーマンスが悪化した。
2. 1990年代後半に行われた銀行による貸し渋りが契機となって、倒産したり事業が停滞するベンチャー企業が生まれた。
3. 株式公開基準が厳しかったため、株式公開まで長期間を要し、年率リターンが低下した。
なお、さらに詳しく調べたい人は以下のサイトを参照すると良いだろう。
日本 VEC(ベンチャーエンタープライズセンター)
アメリカ NVCA
ヨーロッパ EVCA
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