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 引き続きドラッカーについてである。
イノベーションと起業家精神ー実践と原理ー




第2部 企業家精神の実践

12章 企業家的経営管理
13章 企業家的事業
14章 公的サービス機関の企業家精神
15章 ベンチャービジネス

 変化の激しい時代にあっては、それまで馴染んできた仕事は役立たなくなってしまう。しかし、同時に新しい仕事に取り組む機会が生まれ、イノベーションを行う機会が生まれる。そのため、どのような組織であろうと、企業家精神を発揮する必要がある。
 
 企業家精神が持つ原理原則はどのような組織であろうと変わらない。それは、営利企業であろうと、非営利企業であろうと、あるいは政府機関であろうと、非政府機関であろうと、守るべき原則は変わらない。しかし、企業家精神の原理原則は変わらないが、それぞれの組織によって性質が異なる。そのため、以下の組織における企業家精神を実践するため具体的な手引きを開発する必要がある。

1.既存の企業
2.公的サービス機関
3.ベンチャービジネス






※ネタバレあり
1.既存の企業

「大企業からイノベーションは生まれない」と常識は言う。確かに20世紀のイノベーションは大企業から生まれなかった。例えば、鉄道会社は自動車を生み出すことが出来なかった。しかし、これは全くの誤解である。企業の規模がイノベーションの障害になるのではない。むしろ、障害となるのは既存の事業の成功からくる怠慢なのだ。なぜなら、多くの大企業が企業家としてイノベーターとして成功している事実がそれを証明しているからである。例えば、ジョンソン&ジョンソン、GEなどである(詳しくは本書参照)。このような成功の実例から考えられる結論は企業家精神というものは、自然発生的なものでないと言うことである。つまり、それは努力で身につけられる。成功している企業はみな絶えず企業家精神について訓練し、意識してそれについて学ぼうとしているのだ。

 企業家的経営管理には、以下の3つの点についての明確な方針と評価が必要となる。

(1)組織がイノベーションを受け入れるとともに、変化を機会とみなし、脅威とはみなさない姿勢が必要である。

(2)企業家及びイノベーターとしての立場から、イノベーションの業績を体系的に測定することが必要である。

(3)組織の面で、さらに給料、インセンティブ、報奨の面で、あるいは人事の面で、従業員に企業家精神を発揮させる具体的な方法を確立しなければならない。


 さらに、ドラッカーは組織がイノベーションを起こすためには捨てることが重要であると述べる。老廃物を排出しなければ、体に毒が回ってしまう。それと同じように、組織の健康を維持するためには、生産力がなくなったもの、間違って努力してるもの、失敗したもの、方向の違ったものを組織的に廃棄していく必要がある。イノベーションを推進するためには、ほぼ3年ごとに、各製品、工程、技術、市場、販売網、さらにはスタッフ的な仕事について、今後続けるべきか、否か徹底的に検討する必要がある。なぜなら、イノベーションを推進するためには、優秀な人材に取り組ませ、資金を投入しなければならない。つまり、余分な事業に資源を投入する余裕はないのである。
 
 既存の企業の経営陣がやってはいけないことが3つある。

(1)経営管理部門と企業家的部門とを一緒にすることである。
すでに存在しているものを管理し、利益をあげ、できるだけ効率化することに責任を負っている人たちに、同時にイノベーションを目標とさせてはならない。

(2)既存の企業を、その守備範囲の外に連れ出すようなイノベーションの試みは滅多に成功しない。
イノベーションと多角化を混同してはならない。新しい分野は常に難しく、理解していない分野でこれを試みるべきでない。

(3)買収、つまり中小の企業家的なベンチャーを取得することによって、自分の事業を企業家的にしようとすることは無駄である。
買収された会社がうまく機能するには、買収する方が、買収後かなり短期間内に、その会社に経営陣を積極的に派遣しようとし、また派遣できるときだけである。

 結局は、大企業であれ中小企業であれ、イノベーションを望むならば、企業家的経営管理を自らの組織の中に構築する必要がある。

2.公的サービス機関

 公的機関が巨大化し、それに資本が集中している。しかし、依然として非効率的な部門が多く、国民の資本を食いつぶしている。そのため、社会全体の足枷となり、国民全体の生産性を押し下げる恐れがある。それゆえ、公的機関には生産性の向上が求められる。それを解決するのが企業家的経営であり、イノベーションである。なぜなら、急激な社会的・経済的・技術的・人口構成的変化が起こっているので、これらの変化を一つの機会と捉え、活用していくようにならなければ組織の発展はないからである。
 
 公的機関がイノベーションを推進することは、最も官僚的な企業がそれを起こすよりも遙かに難しい。なぜなら、公的機関には、利潤という業績評価の手段がなく、規模が成功をはかる基準となり、成長それ自体が目標となるからである。そのため、公的機関によるイノベーションはほぼ外圧により強制的にやらざるをえなくなったというパターンが多い。

 官僚制度の批判者によれば、公的機関がイノベーションに抵抗するのは、臆病な官僚、給料分だけしか働かない日和見主義者、あるいは権力に飢えた政治家が原因であると述べる。しかし、残念ながら、問題は良き人たちだけを官僚にすれば解決するというものでもない。問題はその内部のシステムにある。理由は3つある。

(1)公的サービス機関が支出をもとにした予算を基礎とする組織であって、売り上げの中から代価が支払われる組織ではないということである。そのため、市民の効用を最大化することに注意を向けることが出来ず、組織の予算を拡大することを努力する。

(2)利害関係者が多い。企業は消費者に最大の関心を向ける。しかし、公的機関はそうでない。政治家、市民団体、納税者、企業など、全ての利害関係者を満足させる必要がある。そのため、各事業ごとに反対者がほぼ存在し、なかなか新しいことをすることが出来ない。

(3)意志決定の判断基準が道徳であり、費用効果の計算には馴染まない。企業であれば、意志決定の判断基準は経済性であり、常に資源配分を考慮し、より大きな成果を得ようと活動する。しかし、公的機関は目的達成が出来なかった場合、努力を倍加しなければならない。そのため、適切な経営管理が難しい。なぜなら、公的機関が目指すものは、最適化でなく、絶対的な道徳規準による極大化の努力だからである。

では、どうすれば公的機関は企業家精神を発揮できるのか?方法は以下の4つである。

(1)任務の明確な定義
個々の事業は手段であって、短命たるべきものと考えなければならない。

(2)現実的な目標の設定
終わりが見えない抽象的な設定はやめなければならない。

(3)目標が実現できなかったということは、目標設定を間違えたか、そもそも定義の仕方が間違っていたと考えるべきである。予算をいたずらに増やしてはいけない、ということだ。

(4)変化を脅威でなく、機会と捉える姿勢

3.ベンチャービジネス

 企業と公的機関において企業家的経営管理のキーとなる単語は企業家的である。これに対し、ベンチャービジネスの場合、経営管理がキーとなる。なぜなら、ベンチャービジネスには企業家的な方針は持つが、管理に関しては疎いからである。

企業家的経営管理には以下4つの要素がある。

1.市場志向でなければならない
 予期せざる市場をも利用できる体制をとっていなければ、ただ単に競争相手のために機械を創り出してやるだけということになる。

2.財務上の見通しがなければならない。一年先にどれだけの資金が、いつ頃、何のために必要になるかを知らなければならない。

3.トップ経営陣をもてるようになり、かつ持たなければならなくなる前から、トップ経営陣を作っておかなければならない。ベンチャーが成長するにつれ創業者一人の力では企業を管理できなくなる。

4.創業した起業家自身について、その役割、仕事の範囲、他との関係を決めておかなければならない。

 以上のように、ドラッカーは既存の企業、公的サービス機関、ベンチャービジネスについてイノベーションを起こすための具体的な手引きを明らかにした。あなたが何らかの組織を管理しているのならば、この本を読んでイノベーションの起こし方を是非学んで欲しい。



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Comment
5
No title
おばさんにはさっぱり、解りませんが、
横浜国立大と聞いて、懐かしく。

6
Re: No title
コメントありがとうございます。

今後、横浜国大についての記事も各予定なので是非見てください!

> おばさんにはさっぱり、解りませんが、
> 横浜国立大と聞いて、懐かしく。

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