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「使える!確率的思考」
著者 小島寛之 ちくま新書 

 世間には平均が溢れている。人々は平均身長を気にしたり、平均的な学力を知りたがっている。平均からはずれることを恐れ、また、平均を超えると安心する。しかし、これほど世の中データ、データと騒がれているが標準偏差を気にする人はあまりいません。本書で強く印象に残ったところはこの標準偏差という統計的な考え方である。

 著者は「標準偏差の考え方を身につけられさえすれば、統計学の大事な部分はおおよそ理解できてしまう」と言う。標準偏差とは一体何なのでしょうか?多くの人が疑問に思うところです。


 

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ここで一つ例を出します。それは「使えるバス・使えないバス」の判断です。みなさんは使えるバス・使えないバスの判断をどのようにするだろうか?もちろん、そのバスが利用したい時間帯にあるか、どの程度の本数が出ているかが最も重要だと考えるが多いと思います。しかし、それだけの要素では決められないでしょう。ここでもう一つみなさんが判断基準として挙げるのが「時刻表どおりに運行されているか?」だと思います。ここで「時刻表通りに運行されているか?」という場合、バスの到着時間そのものは問題でないことに注意しましょう。例えば、時刻表では7:08に到着するバスが平均で7:10に到着するとしてもそのこと自体は問題となりません。なぜなら、初めから7:10のバスだと理解すればいいからです。問題は、平均として7:10に到着するとしても、それはあくまで平均だから、実際はその前後にズレが生じます。例えば、平均として7:10に到着するがその前後に2分ほどブレがあるバスAと30分程ブレがあるバスBがあるとします。あなたはバスAなら乗るが、バスBに乗るぐらいなら歩くか車を使うという結論に達することでしょう。なぜなら、バスAは7:08か7:12に到着するバスだが、バスBは6:40か7:40に到着するバスだからです。これでは、バスB通勤に使いものになりません。ここで大事なポイントはバスAとBは「平均到着時間」という意味では全く区別がつかないことです。つまり、平均という統計量はこの場合全く役に立ちません。問題となるのは「平均からのブレ」となります。このように平均からのばらつき具合を表す統計量が「標準偏差(Standard Deviation 略してSD)」です。

 この標準偏差(SD)という指標から何が読みとれるのでしょうか?大ざっぱに言いますと、あるデータがどの程度「つきなみ」かあるいはどの程度「特殊」なのかが読みとれる指標です。たとえば、平均は海面の水位を表しますが、標準偏差は波の上下動がどれくらいあるのか、ということをあらわします。

 学生の頃、身長がコンプレックスだったという人が多いと思います。かくいう私もあと5cm大きくなったらと、どれほど思ったことか!日本人女性の平均身長はおおよそ160cmで、SDは10cmあります。これが意味することは、以下のようなことである。「日本の女性は、おおよそ160cmの身長と考えられるが、全員が160cmであるわけがありません。では、160cmからどのくらい上下に広がっているか、というと、おしなべて前後10cmぐらいの広がり」ということになります。

 このことから多くのことがわかります。「身長が150~170cmの女性はごく普通の身長である」ということがわかります。具体的にいうと、約70%のデータがこの150~170cmの範囲に収まります(SD1個分に収まる)。だから安心してほしい。150cmの女性はデータから言って小さくないし、170cmの女性はそれほど大きくないのです。ところが、180cmの女性はさすがに大きい。なぜなら、SDで測ると2個分離れている(平均から20cm離れている女性はデータの中で5%しかいません)からです。このように「SD何個分」という単位で物事を考えることで、SDは様々なことを測ることのできる有効性の高い指標になります。

 さらにもう一つ例を出します。受験生が一喜一憂する例のアレです。私も偏差値が良いと浮かれて勉強せずに遊んだり、偏差値が低いと頑張って勉強したりしました。実は、偏差値40~60の値はSD一個分に収まるのです。だから、偏差値60をとった模試は周りと比べて、さほど出来たというわけではないのです。同様に偏差値40もデータからいってさほど低いとは言えません。偏差値40~60はごく一般的な成績なのです。また、偏差値70と30はSD2個分離れているので、特殊な成績と言えます(全体の5%)。だから、偏差値40~60の値に収まる場合はあまり一喜一憂する必要はありません。著者に言わせれば、「一回のテストにおける受験者データの中での偏差値でなく、同じ個人の何回ものテストにおける点数のSDの方が大事である」、そうである。なぜなら、常に同じような点数を安定的にとる子と、平均点に大きなブレがある子では受験の戦略が違ってくるからです。安定的にとる子に一発逆転はあまりないし、成績にブレが大きくある子は一発逆転が大いにあり得ると考えられます。このとき、SDは2人の人物の「優劣」を表す訳でなく、その「性向の違い」というものを表しているに過ぎません。

 このように多くの例を挙げましたが、どの例も平均という概念だけで考えることの危険性を示しています。大事なのは平均だけでなく、そこからどれほどブレがあるのか、ということです。みなさんもこの統計的な考え方を是非、生活に活かしてもらいたい。





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