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「デザイン思考が世界を変える~イノベーションを導く新しい考え方~」
 
 著者ティム・ブラウン 訳者千葉敏生 ハヤカワ新書juice

 本書はIDEOのCEO自らが執筆した本である。彼はデザイン思考を武器に、凝り固まった既成概念だらけの社会に本書を通じて風穴を空けようとしている。彼は現代におけるデザインとイノベーションの必要性を説き、組織を蘇らせる方法を本書で明かしている。

 目次
はじめに
パート1 デザイン思考とは何か?
 第1章 デザイン思考を知るーデザイン思考はスタイルの問題ではない
 第2章 ニーズを需要に変えるー人間を最優先に
 第3章 メンタル・マトリクスー「この人たちにはプロセスというものがまるでない!」
 第4章 作って考えるープロトタイプ制作のパワー
 第5章 初心にかえるー経験のデザイン
 第6章 メッセージを広げるー物語の重要性
パート2 これからどこへ向かうのか
 第7章 デザイン思考が企業に出会うときー釣りを教える
 第8章 新しい社会契約ー一つの世界に生きる
 第9章 デザイン・アクティヴィズムーグローバルな可能性を秘めたソリューションを導き出す
 第10章 いま、未来をデザインする




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 デザイン思考はイノベーションを導く新たな考え方である。そのため、イノベーションについてまず、考える必要がある。デザイン思考において、イノベーションはいわば連続体であり、整然と順序立てられた手順というよりも、重なりあう空間全体からなるシステムである。イノベーションは三つの空間に分けて考えられる。「着想」は、ソリューションを探り出すきっかけになる問題や機会である。「発案」はアイデアを創造、構築、検証するプロセスである。そして、「実現」は、アイデアをプロジェクト・ルームから市場へと導く行程である。アイデアを改良したり、新たな方向性を模索したりするうち、プロジェクトがこの三つの空間を何度も行き来することもある。

 デザイン思考のプロセスはオープンエンドで、自由奔放で、反復的なのである。なぜなら、予測可能性は退屈さにつながり、退屈さは才能ある人材の喪失につながるからである。さらに言えば、競合他社が容易に模倣できるような成果しか生み出せない。従って、デザイン思考では実験的なアプローチをとり、プロセスやアイデアの共有を促し、チーム全員が互いに学びあえる環境を作り出すことが重要である。

 デザイン思考で重要な概念に「制約」がある。制約がなければ良いデザインは生まれない。相反する様々な制約を喜んで受け入れてこそ、デザイン思考の基本である。制約は、成功するアイデアの三つの条件と照らしあわせると理解しやすい。それは、

「技術的実現性」・・・現在またはそう遠くない将来、技術的に実現できるかどうか

「経済的実現性」・・・持続可能なビジネス・モデルの一部になるかどうか

「有用性」・・・人々にとって合理的で役立つかどうか

の三つである。

対象物へのアプローチ
 デザイン思考家の仕事とは、人々が自分でさえ気づいていないうちなるニーズを明らかにする手助けを行うことである。そのためには、以下の三つの要素を身につける必要がある。それは、「観察」、「洞察」、「共感」である
 
 ここでいう「観察」とは、普通の人々のしないことに目を向け、言わないことに耳を傾けることである。つまり、正規分布の末端に位置する人々に注目することである。なぜなら、そこには、異なる生き方、異なる考え方、異なる消費習慣を持つ「極端な利用者」が潜んでいるからである。一般的な人々に注目するだけでは、既知の事実を再確認するに過ぎず、奇抜で意外な事実を発見できることは少ない。

 「洞察」は、すでに私たちの身の回りにあるモノを測定し、すでに私たちの知っていることを明らかにする、定量的データから得られるものでない。より優れた出発点は、現場に赴き、人々が日常生活をどうやりくりしているかを実際に観察することである。

 「共感」とは、観察対象の人々と根本的なレベルで繋がり合うことである。デザイン思考家の役割は、新しい知識を生み出したり、理論を検証したり、科学的仮説を実証することではない。デザイン思考家の役割とは、観察から洞察を、そして洞察から生活に役立つ製品やサービスを生み出すことである。また共感は、人々を実験用ラットや標準偏差とは別物として考える心理的習慣でもある。他者の目を通じて世界を観察し、他者の経験を通じて世界を理解し、他者の感情を通じて世界を感じ取る努力を行う必要がある。「共感」は、人間をイノベーションの中心に据えるデザイン思考特有の要素であると言える。 

思考パターン 
 デザイン思考を実際に行う際、以下の4つの心理的プロセスの間を行き来することになる。それは、「収束的思考」、「発散的思考」、「分析」、「綜合」である。私たちの社会では論理的・演繹的思考の重要性が高い。物理、経済、歴史、いずれの分野の問題でも、一連の情報を受け取って「分析」し、一つの答えに「収束」するよう教えられている。収束的思考は、既存の選択肢の中から判断を下す場合には実用的である。しかし、未来を探求したり、新たな可能性を生み出したりする場合には、収束的思考ではうまくいかない場合が多い。問題解決において、収束的思考が解を導く原動力だとすれば、発散的思考の目的は選択肢の数を増やすことである。
 
 デザイン思考化のプロセスは、発散的思考と収束的思考をリズミカルに行き来するようなものである。そして、その行き来を繰り返すほど、曖昧さが消え、より緻密になっていく。これらを補足するものとして「分析」と「綜合」がある。分析的な思考形態がなければ企業の経営や家計の管理を行うことはできない。しかし、これに加えて創造的プロセスでは「綜合」、つまり部分をつなぎ合わせてアイデア全体を生み出す集約的行為が必要になる。データを収集したら、全体を分けて意義のあるパターンを見つけだす必要がある。「分析」と「綜合」はいずれも同じくらい重要で、それぞれが選択肢を生み出して決定を下すプロセスにおいて欠かせない役割を果たしている。つまり、デザイン思考とは、一方では「発散的プロセス」と「収束的プロセス」の行き来、もう一方では分析的プロセスと総合的プロセスの間を絶え間なく行き来すること、である。


※長いので次回に続きます。

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