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「デザイン思考が世界を変える~イノベーションを導く新しい考え方~」
 
 著者ティム・ブラウン 訳者千葉敏生 ハヤカワ新書juice

 目次
はじめに
パート1 デザイン思考とは何か?
 第1章 デザイン思考を知るーデザイン思考はスタイルの問題ではない
 第2章 ニーズを需要に変えるー人間を最優先に
 第3章 メンタル・マトリクスー「この人たちにはプロセスというものがまるでない!」
 第4章 作って考えるープロトタイプ制作のパワー
 第5章 初心にかえるー経験のデザイン
 第6章 メッセージを広げるー物語の重要性
パート2 これからどこへ向かうのか
 第7章 デザイン思考が企業に出会うときー釣りを教える
 第8章 新しい社会契約ー一つの世界に生きる
 第9章 デザイン・アクティヴィズムーグローバルな可能性を秘めたソリューションを導き出す
 第10章 いま、未来をデザインする

 
 今日の記事は昨日の続きとなります。



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 著者は10歳の頃、レゴを通じてデザイン思考家への道を歩み始めた。レゴを使い、恐竜や宇宙船などを制作し、具象と抽象の間を行き来した。多くの企業がこのような子供のような探求心を置き去りにし、より実務的な作業に目を向ける。しかし、デザイン思考を取り入れている企業はそうでない。一つの特徴として、至る所にプロトタイプがある。なぜか?、プロトタイプ制作は結果を「より早く」生み出すからである。アイデアは頭の中で考える方が早いんじゃないの、という意見もあるかもしれないが、それは一度で適切なアイデアを創出できる天才に限った話である。深く考えなければならない問題は大抵複雑だ。
 プロトタイプ制作を行う際に注意すべき点が二つある。一つは、平凡なアイデアが実現に近づくことを防ぐこと、二つ目は、あくまで試作だと言うことを忘れずに、シンプルかつ、最小限のコストで行うこと。
 プロトタイプ制作の目的は、アイデアを形にし、その強みと弱みを明らかにし、より精巧で緻密な次のプロトタイプの方向性を明らかにすることである。そのため、各段階によりプロトタイプの目的は異なる。初期段階でのプロトタイプの目的は、アイデアに実用的な価値があるかを把握することである。そして、最終段階では、プロトタイプを世に送り、最終製品の対象利用者からフィードバックを求める必要がある。



 これまでのプロトタイプ制作は物理的な製品の場合である。それ以外ではどのようにすれば良いのだろうか?例えば、実体のない経験をプロトタイプ化する方法として「シナリオ」という手法がある。「シナリオ」は物語の一形式で、想定される将来の状況や状態を言葉や絵で説明するものである。この「シナリオ」には二つの効果がある。一つは、もっともらしいフィクションを関係者が見ることで、より直感的にその製品・サービスが理解できることである。「シナリオ」により、想像力が刺激され、より良いアイデアが頭の中に浮かぶことであろう。二つ目は、人間をアイデアの中心に据えることで、技術的・外見的な細部に迷い込むのを防ぐ働きがある。結局、企業が相手にしているのは「モノ」でなく、「人とモノの交流」である。



 消費者は単に一つの機能をこなすのでなく、製品・サービスを通して一連の経験をする。つまり、経験を細心の配慮をもってデザインしなければ、機能そのものが台無しになるということだ。そのため、「経験のデザイン」に注意を向ける必要がある。経験をデザインするために、知る必要があるテーマが3つある。

(1)現代人は「経験経済」のなかで生きている。
(2)最良の経験は、企業の本部で台本が練られるものでなく、サービスの提供者によって現場で提供される。
(3)実行が全てである。

(1)「経験経済」には、「コモディティ→製品→サービス→経験」という価値のピラミッドがある。これは、人々の経験が主に機能的な面から感情的な面へと根本的な変化を遂げることを意味する。 

 良質な経験をあらゆる分野で生み出すために以下の思考法が適切である。

従来の考え方「PDCAサイクル」
(計画→実行)→(評価→改善)
          ↓
デザイン思考「SPARCサイクル」
 (観察→計画→実行)→(改良→伝達)
 
 経験を活かすことは重要である。なぜなら、人々の行動を変えるのは困難だからである。そのため、人々に新しい物事をチャレンジさせる一つの方法は、人々が慣れ親しんでいる行動をもとにするというものである。

(2)経験価値文化を築くためには、通常の枠組みを越え、顧客一人一人に合わせたユニークな経験をデザインしなければならない。経験は、大量生産された製品や標準化されたサービスと異なり、特別な経験や自分専用の経験と感じられてこそ価値を発揮する。そのため、顧客に最良の経験を提供するためには、従業員がタイミング良く特別なサービスや適切なサービスを付加できるかどうかにかかっている。このようなタイミングの感覚は、マーケティング担当責任者が立てた企業戦略から得られることはあまりない。

(3)イノべーションとは、「優れたアイデアを、効果的に実行すること」である。しかし、残念ながら世間一般ではこの前半のみが過剰に重視されている。アイデアは素晴らしいが、実行はお粗末という単純な理由で弾みを得られなかったという事例は数多い。そのようなアイデアの大半は市場に姿をあらわすことさえあまりない。

 以上のように本書は、世界屈指のデザイン・ファームIDEOのCEOが自身の経験を元にアイデア思考について書いた本である。人々が気づかないニーズを探り、飛躍的な発想で生活を豊かにする、その考え方こそがデザイン思考である。従来のイノベーションの思考法とは一線をかくす思考法である。本書でも明らかにされているように論理的・演繹的思考法だけでは、イノベーションを生まれない。今までは、一つの答えを出すこと、つまり収束的な思考法が注目されていた。しかし、新たな付加価値をどんどん生み出さなければならない現代では重要なのは、むしろ発散的思考法なのかもしれない。IDEOという企業は、通常の企業では考えられない型破りな仕事の方法を行っている企業であるので、今の仕事に窮屈さを感じている人には是非読んでほしい本である。


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